準備委員会企画プログラム
9月23日(土・祝)
10:00 ~ 12:00
対話セッション
『プロセスモデル』が開く時空
2017年より連続で、ジェンドリン哲学の「交差」crossingについて、自主シンポジウムを行ってきました。『プロセスモデル』と交差の概念を多面的に検討し、自身の中に交差を生み出し、かつ多領域との交差を創出することが目標です。身体知に浸り(dipping)、そこを交差の場所とし他者と交差することが、生命体と環境、多文化間事象、宗教性の理解を深めることをめぐって議論してきました。その中で、概念化以前の知(felt sense)や不在をめぐる問題、そして他者やクライエントと一緒に居ること(being with presence)といった人間性心理学の基盤をなす課題が見えてきました。
さて、ジェンドリン『プロセスモデル-暗在性の哲学-』(みすず書房)の邦訳出版(2023年2月)という時宜を得て、翻訳に携わった方々にもご参集いただき、「プロセスモデル」は何を問題にし、明らかにしようとしているのか?をテーマとして対話の場を設けます。このモデルを通じて、ポストモダンの思考はどのように変わることができるのか?それは人間性心理学内外の領域とどのように交差可能か?このような点について、ディスカッションを広げ深めたいと思います。ぜひご参加ください。
世話人
村里忠之
宮カウンセリングルーム
村里心理療法研究所
高橋寛子
山梨英和大学教授
吉良安之
九州大学名誉教授
飯嶋秀治
九州大学大大学院教授
森岡正芳
立命館大学教授
末武康弘
法政大学教授
得丸智子
開智国際大学教授
話題提供者
村里忠之
宮カウンセリングルーム/村里心理療法研究所
ジェンドリン「プロセスモデル」の研究。著書『ジェンドリン哲学入門』(共編著 コスモス・ライブラリー 2009)『「主観性を科学化する」質的研究法入門』(共編著 金子書房2016)ほか。
高橋寛子
山梨英和大学教授
体験過程理論の心理臨床や教育への応用。セラピストフォーカシングによる対人援助職支援。「心理臨床教育における体験の言語化とその意義 -TAEの‘Dipping&Crossing’による俯瞰化・普遍化・構造化」 山梨英和大学紀要第16号,2018.ほか。
吉良安之
九州大学名誉教授
長年の学生相談キャリアから、「学生生活の行き詰まり状況における悩みの様相と援助の道筋」を探究。「カウンセリングにおける内的対話の諸相」.人間性心理学研究 37(1) ,17-23, 2019.『主体感覚とその賦活化』(九州大学出版会2002)ほか。
飯嶋秀治
九州大学大大学院教授
危機に面した人間の応答を課題に、文化人類学と臨床心理学のコンタクト・ゾーンで模索。「宗教の教育と伝承 : ベイトソンのメタローグを手がかりにして」宗教研究 85(2), 265-292, 2011. ほか。
森岡正芳
立命館大学教授
著書『臨床ナラティヴアプローチ』(ミネルヴァ書房2015)
『うつし 臨床の詩学』(みすず書房2005)。『治療文化の考古学』臨床心理学増刊13号(2021),「対話の実践的可能性とは―ブーバー・ロジャーズ対話をめぐって」人間性心理学研究,37-1,1-14.2019.ほか。
末武康弘
法政大学教授
著書『フォーカシングの原点と臨床的展開』(共著 岩崎学術出版社 2009)『ジェンドリン哲学入門』(共編著 コスモス・ライブラリー 2009)ほか。訳書『ロジャーズ主要著作集1-3』(共訳 岩崎学術出版社 2005)ほか。
得丸智子
開智国際大学教授
著書『TAEによる文章表現ワークブック』(図書文化社 2008)『ステップ式質的研究法』(海鳴社 2010)『「主観性を科学化する」質的研究法入門』(共編著 金子書房2016)ほか。A new perspective on creativity: Gendlin’s “A Process Model”. ( International Journal of Creativity in Music Education vol.10), pp.7-16, 2023ほか。