ワークショップ

ワークショップ概要


ワークショップ一覧

2023年7月26日時点での空き状況
〇:十分な空きがあり △:残り僅か ×:定員を満たしました

※ワークショップ1の定員を40名から48名に変更しました。
 ワークショップ4の定員を35名から40名に変更しました。
 これから先、定員の増員はありませんのでご注意ください。 (2023.7.26)

※ワークショップ1の定員を36名から40名に変更しました。
 ワークショップ4の定員を25名から35名に変更しました。(2023.7.14)

ワークショップ1の定員を24名から36名に変更しました。
 また、ワークショップ5のベーシックエンカウンターグループは定員を満たしました。(2023.5.24)

※ワークショップ5の定員を8名から10名に変更しました。(2023.5.17)

ワークショップ参加費

大会事前参加登録
(論文集1冊分を含む)
当日参加登録
(論文集1冊分を含む)
ワークショップ参加費
(事前予約のみ)
会員(正会員・準会員)8,000円10,000円8,000円
臨時会員(非会員)10,000円12,000円10,000円
学生会員4,000円5,000円4,000円
学生非会員5,000円6,000円5,000円
名誉会員無料無料無料
名誉会員の方は大会にご招待します。(大会参加費等は無料です)

参加登録申し込み期間

2023年 4月1日(土) ~ 2023年 7月31日(月) 2023年 8月10日(木)

ワークショップに参加するためには事前予約が必要となります。
参加を予定されている方は申し込み期間内に登録・参加費の支払いをお願いいたします。

参加申し込みの受付は締め切りました。


参加費支払い締め切り日

2023年 7月31日(月) 2023年 8月10日(木)

参加申し込みの受付は締め切りました。


領収書の発行

領収書は参加証に付随しております。(事前参加登録者には資料送付に同封)
別途請求書や大会参加証等が必要な場合は、請求先、送付先、内容等をメールにてご連絡ください。
E-mail:2023jhpc@gmail.com


臨床心理士継続研修の申請手続き

参加費の領収書(コピー可)が、大会参加の証明として使用できます。
大切に保管して、各自で申請してください。


参加登録申し込み

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ワークショップ紹介


ワークショップ 1

フェルトセンス革命とフォーカシング

池見陽 先生
関西大学人間健康学部教授

フォーカシングには様々な実践があるため、「フォーカシング・ワークショップ」とは言っても、どの実践を紹介するのか迷うところである。そこで、フォーカシングの考案者である哲学者・心理療法家 Eugene Gendlin が心理療法理論や実践に及ぼしたインパクトを検討してみることにしたい。それは「フェルトセンス」と呼ばれる人の体験(経験)のあり方や「体験過程」といった体験の変容過程を明らかにしたことである。このことは、カウンセリング分野には革命的なインパクトがあると筆者は考えている。フェルトセンスとは何か、体験過程とは何かといった解説に続いて筆者らが考案したペア・ワーク「アニクロ」を通して、体験と象徴の関係から意味が創造される過程を検討してみたい。続いて、Carl Rogers が後年になってジェンドリン理論に依拠して、従来の「共感」を再定義した「共感の過程」( process of empathy)に触れ、その中で Rogersのカウンセリングがどのようにフェルトセンスによって変容したかといった点を取り上げる。Gendlinのフォーカシングの源流にある解釈学的視点や彼の「フォーカシング指向心理療法」の捉え方を解説する。その中でGendlin が如何に「フォーカシング」の重要性を強調したために、その影になってしまった「関係性」が十分に取り上げられなかった点を指摘する。最後に筆者の最近の理論モデルである「体験過程モデル」を紹介する。本モデルは本学会誌にも掲載されているが、本年4月にそのモデルのアップデートが英語で発表されているため、それを含めて紹介する。「体験過程モデル」はフォーカシングのみならず、人間性心理学の心理療法はもちろん、多くの対人援助場面を言い表すモデルであると考えている。なお、本ワークショップはアニクロ以外では解説とそれに対するフロアとのディスカッションとして進めていきたい。

ワークショップ 2

からだと出会うマインドフルネス

小室弘毅 先生
関西大学人間健康学部准教授

 近年は流行を超えて定着しつつあるマインドフルネスですが、さまざまな領域に広まった分、「瞑想難民」(魚川・プラユキ,2016)と呼ばれるような人たちが出現するなど、一部では混乱も生じています。マインドフルネスは「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価せずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」(マインドフルネス学会)と定義されます。本ワークショップでは、この定義について「からだ」に着目し、ワークを通して体験的に考えていきます。そのことが上記の問題への対策にも繋がっていくことになります。
 「体験」には「体」という文字が入っています。体験に意識を向けるとは、「体(からだ)」に意識を向けることです。マインドフルネスを心の問題としてではなくからだの問題として捉え、できるかぎり丁寧にからだに寄り添っていくワークを行っていきます。
 自分自身のからだに寄り添うためにはコツがいります。からだ、特に呼吸は意識の影響を受けやすく、ちょっと意識を向けただけで変化してしまいます。私たちの意識のあり方に忖度するかのように、からだや呼吸はそれらしいふるまいを見せ、本来の姿を隠してしまうのです。そのようなからだをいくら見つめてもあるがままのからだは見えてきませんし、からだに寄り添うことはできません。寄り添うためには出会う必要があるからです。そういった意味では定義にある「観る」にも注意が必要です。「観る」の「観」は観察の「観」とは異なり、「からだとともにいる」と表現されるような「観る」なのです。そこには本来の姿のからだとの出会いが含みこまれています。「出会い」、「ともにいる」と同義の「観る」とはどのようなものなのか、ワークを通して考えていきたいと思います。
 またからだは遺伝、環境、文化、心理等さまざまな要因の影響を受けています。本ワークショップでは特に日本の身体文化の影響を受けた私たちのからだに焦点を当ててワークを行います。「腰肚文化」(齋藤,2000)と呼ばれるように、腰や肚を重視するのが日本の身体文化の特徴です。そこで、骨盤呼吸法や静坐瞑想のワークを行い、日本の身体文化とマインドフルネスのつながりについて体験していきます。日本の身体文化では、身心の相関性を重視し、言葉ではなく、身体の「型」によって、大切な感覚や意識状態を次の世代へと継承してきました。「型」についても体験とともに考えていけたらと思っています。

ワークショップ 3

内観療法
心身一如のコンセプトと共に

千石真理 先生
心身めざめ内観センター主宰

 内観療法は日本で生まれ、世界で普及している自己反省法、自己探求法です。
 内観とは文字どおり、自分の心の内を観ることであり、「してもらったこと、お返ししたこと、ご迷惑をかけたこと」という三つの命題で自己を振り返ることにより、自分自身を、また、人間の本質を深く理解することができます。
 精神的に健康な人が自己発見法の一環として行う場合と、神経症、心身症、適応障害などの精神面の治療として適応される場合、あるいは、矯正施設、福祉、教育、ターミナルケアの医療現場等、多くの分野で活用されてきました。
 通常の内観療法は、一週間という期間が必要になりますが、マインドフルネス呼吸法、ヨガストレッチ、瞑想を導入することによって、短期に深化することができます。今回のワークショップでは、まず内観療法の成立と展開、方法、心理機制について解説し、その後ヨガストレッチ、マインドフルネス呼吸法、気功を用いた身体内観を体験後、実際の内観の導入に入ります。最後に、ご自宅でもできるプチ内観を紹介し、終了となります。

 短い時間ですが、内観の創始者、吉本伊信が「いかなる逆境にあっても、報恩感謝の心境で暮らせる気持ちに大転換すること」「あなたは今死んでも後悔ないですか?いつ死んでも後悔のないように。」と内観者に伝えていた内観創設の目的を、少しでも感じ取っていただければ幸いです。

ワークショップ 4

ナラティヴアプローチと社会

森岡正芳 先生
立命館大学総合心理学部教授

『臨床ナラティヴアプローチを学ぶ』
このワークショップの流れは、次のようなものです。

  1. ナラティヴとは 一人一人の生への接近 当事者の体験と語り
    出来事の語り直し ナラティヴは出来事が単位 プロットの働き
    • ワーク 痛みのワーク
  2. ナラティヴアプローチの特徴を心理支援場面においてとらえる
    • ワーク 童話
  3. ナラティヴを拓く聴取
    • ワーク パラレルチャート
  4. リフレクション
    • ワーク Tell a Story
  5. まとめ もう一つの心理学-その背景

 ナラティヴとは心理学において,「筋(plot)を通じて出来事が配列され,体験の意味を伝える言語形式」のことです。物語、語り、そしてストーリーという言葉も類義的に用いられます。ナラティヴの働きは、意味を生む行為と深く関係します。変えようのない事実や関係そのものも、語りのあり方で意味が変わり、あらたな現実を生んでいきます。ナラティヴの実践は広い意味での言語行為によって、体験を秩序立てていく援助です。
 この時代にナラティヴが求められるのは、個性の埋没、喪失へと傾斜する時代背景をあげることができます。心理や福祉の実践現場においても、個人がないがしろにされる状況が深刻化しています。たとえば、福祉施設において施設入居者は、自分自身であり続けることへの危機につきまとわれます。名前、個性を持つ存在であること自体が危うくなります。いいかえると、個人史(personal history)の回復は、自己の回復でもあります。
 ナラティヴには治療的な働きがあります。体験を秩序づけていく人の行為と心の働きを積極的に捉え, 活性化するところに、臨床におけるナラティヴアプローチの独自性があります。ナラティヴという形式を通じて人は, 断片的にしか対処できなかった出来事や対人関係の表象を,まとまりをもったひとつの体験として包括的に受け取ることができます。
 このワークショップでは、まず、ナラティヴの基本的な働きについて、簡単なワークを交えながら、確かめてみます。出来事をつなぐ筋立てがどのように生まれるか、お話作りをやってみましょう。
 後半は、事例エピソードなどを用いながら、心理支援場面におけるナラティヴアプローチの特徴を探究します。ナラティブ・メディスンで基本的なワークとなるパラレルチャートや、リフレクティングなどを実地体験し、ご自分の臨床をふりかえる場にしたいと考えます。
 物語、ナラティヴは幅のある概念で、光の当て方によって、見えてくるものが違ってきます。当事者の観点からの支援とケア、実践現場から理論を立ち上げる手掛かりとしてもナラティヴは役に立ちます。また、立場の異なる心理療法各学派をつなぐ概念と目されています。

いっしょに探求していきましょう。

研修委員会企画

ワークショップ 5

ベーシックエンカウンターグループ

永野浩二 先生
追手門学院大学

本山智敬 先生
福岡大学

 皆さんは、日頃どんな生活をしているでしょうか? 私は、このところ何だかバタバタとして、落ち着かない生活をしています。
 そういう時、私はエンカウンター・グループに出たくなります。
 ロジャーズ辞典では、エンカウンター・グループを次のように表現しています。
「“エンカウンター”ということばは、信頼と理解に高い価値を置く雰囲気の中で、人々が深く、すなわち、よりひととして会うことを意味する」(Tudor&Merry,2002)
 「よりひととして出会う」ことの喜びに、以前の私は惹きつけられていました。最近は、どちらかと言えば、人間らしい時間を過ごせることにより喜びを感じています。
 グループでは、初めこそ若干の緊張もありますが、時間をゆっくり過ごすことができます。自分自身の身体と気持ちや、その場で感じられることを丁寧に味わい、関わる時間が持てます。細切れではなく、ひと続きの人間らしいひと時です。
 そういった時間は、私には(そして多くの人にとっても)とても大切なものだと感じています。
 1日という限られた時間ではありますが、エンカウンター・グループに関心がある方々と、ご一緒に、自分自身とお互いを感じ、交流できるのを楽しみにしています。(永野浩二)

 私がパーソンセンタード・アプローチに惹かれるのは、「人がどうすれば自分らしく生きられるのか」について、他者との関係の中で真摯に考えていくところにあります。自分らしくいること、自分自身でいることはとても難しいですが、相手との関係の中でお互いの「その人らしさ」が感じられると、私はその人とどこかつながれた気持ちがして、とても嬉しくなります。こうしたシンプルな、しかし人と人とのつながりに欠かせないものを、私はずっとエンカウンター・グループから学んできました。
 ワークショップ形式でのエンカウンター・グループは久しぶりですが、今回ご縁があった皆さんと、短くもかけがえのない時間を一緒に過ごしたいと思っています。(本山智敬)